ご存知でしょうか??
サイクルロードレースにおける「グルペット」。
砕けた説明をすれば、重量級な選手たちがチームの垣根を越えて形成する集団といったところでしょうか。
グルペットって何??
ツール・ド・フランスを頂点とするステージレースには、ゴールの制限時間が設けられています。タイムアウトになってしまうと、翌日のステージから走ることができないのです。
スプリンターや重量級選手は、登りを極端に苦手とする為、山岳ステージで、このタイムと戦うことになります。
そのタイムアウトにならない為に、チームの垣根を越えて形成される集団がグルペットです。
重量級選手の互助
平坦のステージでは、大きな集団内にいれば空気抵抗を受けないため、トラブルがない限り、タイムアウトになる可能性は低いです。
しかし、登りでは空気抵抗ではなく、重力との戦いになります。重力は集団内にいても、皆平等にかかります。
スプリンターなどの体重のある選手はひとたまりもありません。
登りにさしかかると、早々に集団から遅れる有力スプリンターの様子がTVに映し出されます。「もう遅れた!!」はお決まりです。
そんな時に、遅れてしまった重量級選手たちは、グルペットを形成します。
チームは関係なく、重力級選手たちが集まり、協力して自分たちのペースでゴールを目指します。
下りと平地は超絶速い
登りは、自分たちにとって最適なペースで登っていく彼らですが、その分下りと平地では猛烈に飛ばします。
ここでも休んでいたらタイムアウト確実です。笑
山岳ステージでのレースでは、ステージ優勝や総合系選手の様子が映し出されるため、最後尾のグルペットのダウンヒルは見ることが出来ないのが残念です。
隠れたダウンヒルスペシャリストの宝庫では??
ダウンヒルのスペシャリストとして、ニバリを思う浮かべる方が多いと思います。
ニバリは総合系の選手なので、山岳ステージではレースの中心であり、下りの様子も映し出されるので、スペシャリストとして認識されます。
しかし、グルペットにはニバリを超えるような下り巧者がいるかもしれません。そもそも、重量級の彼らは、跨がっているだけで速度はどんどん上がっていきます。笑
スプリンターは、高速域での危険な集団落車にも慣れているので、恐怖心も少なそうですし・・・。
グルペットの下りでの様子を見てみたいものです。
グルペットといえば『ロビー・マキュアン』
少し前の時代を知る自転車ファンなら、グルペットからロビー・マキュアンを思い浮かべる方がいらっしゃると思います。
もう引退してしまいましたが、ツールで多くの区間勝利を手にした名スプリンターです。ポイント賞も3度も獲得しています。
最有力スプリンターであったマキュアンは、グルペットのリーダーのような存在でした。
その彼が指揮するグルペットのことを、解説の栗村修さんが、『マキュアン友の会』と命名しました。そして、マキュアンは『会長』との愛称で日本のファン親しまれるようになりました。
ちなみに、マキュアンは日本のファンから『kaicho』と呼ばれていることを知っています。笑
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