歴史に名を刻んだ男たち
近年のツール・ド・フランスの総合優勝者を振り返っていきたいと思います。
2018年
ゲラント・トーマス(SKY/イギリス)
先日終わったばかりの、今年のツールの総合優勝者。
もともとはトラック競技のエリート選手。イギリスの英雄ウィギンスらと出場した団体追い抜きでは、世界選手権、オリンピックともに優勝している。
ロードでは当初は北のクラシックに強い選手としてのイメージが強かったが、徐々に総合系選手として活躍し始め、中規模ステージレースで優勝し始める。
今年は遂にツールで驚きの総合優勝。終始安定し、ボーナスタイムを稼ぎ、TTでも実力を発揮。
2017・16・15・13年
クリス・フルーム(SKY/イギリス)
山岳での高ケイデンスのアタックでライバルを一気に置いていき、TTでもスペシャリストに並ぶ走り。初優勝時は圧倒的な力で、2位のキンタナに4分以上の差をつけた。
2014年はリタイアに終わるが、その後は3連覇。さらにさらに2017年のツール後はブエルタ、ジロと連勝。
5勝目を狙った2018年ツールでは、序盤に落車でタイムを失い、絶好調なGトーマスへエース交代。総合3位に。
2014年
ヴィンチェンツォ・ニバリ(アスタナ/イタリア)
フルーム、コンタドールという2大優勝候補がリタイアした、2014年。「二人がリタイヤしたから優勝した」と言われるのを嫌い、総合2位に7分もの差をつけ、文句なしの総合優勝を飾った。
グランツール全てで総合優勝しているだけでなく、ロンバルディア、ミラノ~サンレモといったモニュメントでも勝っているコンプリートライダー。
2012年
ブラッドリー・ウィギンス(SKY/イギリス)
トラックの超・超エリート選手。個人追い抜き、団体追い抜き、マディソンの世界チャンピオン。オリンピックでもメダル多数。
イギリス人初のツール総合優勝者の輩出を目指すSKYのエースとなる。2012年のツールは正にTTスペシャリストである彼のための大会だった。個人タイムトライアルが2ステージあり、距離も長かったため、ライバルから大量リードを奪った。
ウィギンスが敵なしであったこの大会、専らの話題はウィギンスとフルームの確執だった。。。
2011年
カデル・エヴァンス(オーストラリア/BMC)
TT、山岳ともに強く、下りも得意な完成度の高いオールラウンダー。総合上位常連ながら、なんらかのトラブルに巻き込まれることが多く、万年2位といわれた。
しかし、幾度となく挑戦するエヴァンスは2011年、遂に総合優勝する。この年はトラブルを回避でき、終始好位置につけた。事実上最終ステージの個人TTを3位で迎え、TTが苦手なシュレク兄弟を逆転しての総合優勝だった。戦後最年長の優勝だとか。