エピソード豊富な第100回ジロチャンピオン
トム・デュムランといえば、史上稀に見る接戦であった第100回ジロでの総合優勝を思い浮かべる方が多いでしょう。
あれは見応えたっぷりな熱いレースでしたね!!
総合優勝はニバリかキンタナか、もしかしたらピノか??なんて思っていましたが、蓋を開けてみたらデュムランの強さが際立っていました。
そして、「ココア」に続いて、「トイレ」という新たなネタも提供してくれました。
そんなデュムランの強さは、やはり必勝パターンが可能なところではないでしょうか。
王者の戦い方
デュムランは、減量で山に対応してきたTTスペシャリストです。TTでタイムを大幅に稼いで、山ではライバルから遅れないという、王道パターンができる選手です。
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記録は剥奪されましたが、ツールを7連覇したランス・アームストロングや、2012年にツールを勝ったウィギンスもこのパターンです。フルームも、当初は山岳でも積極的なアタックをしていましたが、近年はTTで差をつけるパターンで勝っています。
陰りが見えてきた、フルームに代わって、時代を代表するGCライダーになるのはデュムランかもしれません。
山岳トレインを走らせるアシストが欲しい
ただ、この王道パターンで勝つためには、山岳高速トレインを走らせてくれるアシストが欲しいところです。
デュムランはTTスペシャリストということで、高出力を一定して出していくことは得意です。ですが、急激な速度変化を伴うアタックは不得意です。
昨年のジロでも、アタックされても反応せず、自分のペースでじりじり追っていく走り方をしていました。
皆が苦しくて、アタックができないうようなハイペースを山岳で刻んでくれるアシストが欲しいところです。
一定のペースで走ることが得意なデュムランですので、峠の最初から最後までハイペースを刻み続けてしまえば、アタックを封じることができるのです。
同じくTTスペシャリストのウィギンスをエースにツールを戦った2012年のスカイは、正にこの戦略で勝利しました。
アシスト陣それぞれが全力を出し、ハイペースを維持し、皆が苦しい展開にしました。ニバリさえ、とんでもない速さだったと疲れ果てていました。
山でのライバルのアタックを封じて、TTでタイムを稼ぐ王道パターン。デュムランも、この展開にしてくれるアシスト陣がいればいいけど・・・。
(ドラマチックな展開を望む、本場ファンには、この戦い方は好まれないみたい。)
今年も何かやってくれるのか?
トム・デュムランをgoogleで検索したときの関連キーワードが、彼の面白さを表しています。
「ココア一気飲み事件」「ココア1リットル」などのココア系。
そして「野糞」「デュムラン 大」「デュムラン トイレ」などのトイレ系。
それぞれ何のことなのでしょうか。
ココアとは?
彼にココアのイメージがついたのは、あるレースでテレビ中継の解説に来ていた土井選手の発言のよるものです。
土井選手とデュムランは、かつて同じチームに所属し、一緒にトレーニングする仲だったそうです。そして、土井選手は、デュムランはココアを1ℓ一気飲みをして、お腹をこわしたことがあるという、ほっこりエピソードを披露。
めちゃくちゃな選手で、こんなに強くなったのが信じられないとも言っていました。笑
この解説から、デュムランにココアにイメージが定着しました。
トイレとは?
これは、2017年に総合優勝したジロでの出来事。
その時点で総合トップだったデュムランですが、レース中に突如草むらに飛び込みます。そして、マリア・ローザを脱ぎ始め、トイレタイムに。
お腹の調子が悪く、我慢できなかったとのこと。まさか、ココアでは??思ってしまいます。笑
このトイレタイムで、2分失ったのですが、最終的には総合優勝できて本当に良かったですね。トイレで優勝を逃したら一生悔しかったのではと思います。。。
ユンボ・ヴィズマでやっていける?
デュムランは2020年シーズンからユンボ・ヴィズマの一員となりました。
サンウェブ(当初はアルゴス・シマノ)には8年も在籍していたとのことです。
サンウェブではデュムランが唯一の総合系のリーダーでしたが、ユウボ・ヴィズマにはグランツールで総合優勝を狙える選手が既に二人もいます。
クライスヴァイクとログリッチェです。
複数の強力なリーダーがいる場合、チーム内での争いが起こってしまう可能性を秘めているのはサイクルロードレースファンの皆さんなら容易に想像がつきますよね。
ユンボ・ヴィズマ。今シーズン大注目なチームです。
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