サイクルロードレースには、『モニュメント』と呼ばれる5つのレースがあります。
なにやら格式高そうな名前ですね。そうです、格式高いレースなのです。
モニュメントとは、一体どのようなレースを指すのでしょうか??
モニュメントとは?
簡単に言うと、『クラシックの中でも長い歴史がある格式高いレース』です。
簡単に言ってみたものの、ちょっと小難しい。。。
・・・まずサイクルロードレースを分解していきましょう。
まずサイクルロードレースは『ワンデーレース』と『ステージレース』に分かれます。
●ワンデーレース
文字の通り、一日のみのレース。一発勝負。
例.パリ~ルーベ、世界選手権
●ステージレース
数日間走って、その積算タイムが最も短い選手が総合優勝。各ステージでの優勝(ステージ優勝)も争われる。例.ツール・ド・フランス
そして、今回追っていくモニュメントは、ワンデーレースに属します。
一発勝負のレースということです。
ワンデーレースを詳しく見ていくと、、、
数あるワンデーレースの中で、長い歴史があり、格式があるレースはクラシックと呼ばれます。
しかし、絶対的な定義があるわけでもないので、どこをもってクラシックとするかは曖昧でもあります。比較的新しいワンデーレースであっても、『~クラシック』というレース名をつけてしまっている場合もあります。
そしてそして、遂に登場、『モニュメント』です!
クラシックの中で、そりゃあもう長い長い歴史があり、別格なのが『モニュメント』なのです。
ワンデーレースにおける、世界のトップ5のレースといえます。(世界選手権も凄いよ!)
ワンデーレースを狙う選手なら、誰もが喉から手が出るほど欲しいタイトルです。
長い長い歴史を持つ、格式高いレースの優勝者に自分の名がのるのです。正に歴史に名を刻むことになります。
モニュメント5レース
ミラノ〜サンレモ
1907年~。約300kmを走る最長のレース。
3月に開催され、春の訪れを知らせるレースとして「ラ・プリヴェーラ」と呼ばれます。スプリンターが勝てるモニュメントであり、トップスプリンターが手に入れたい称号の一つです。また、今年のニバリのように、逃げ切りも起こり、スプリントか逃げ切りか、はらはら楽しめるレースでもあります。
ロンド・ファン・フラーンデレン
1913年~。フランス語の「ツール・デ・フランドル」の名称で呼ばれることも多いです。また「クラシックの王様」とも。一般人ならまともに走れないような石畳の上を走る過酷なレース。もちろん落車やトラブルも多発します。同じく超過酷なパリ~ルーベと並び、モニュメントの中でも別格の地位を誇ります。
石畳での高い走破力と独走力を備えた大型な選手が勝者に名を連ねます。
パリ〜ルーベ
1896年~。ロンド・ファン・フラーンデレンと並び、格式高いレースです。ツール・ド・フランスの総合優勝にだって劣りません。こちらは「クラシックの女王」。数多く登場する石畳区間は、その過酷さや難易度を、星の数で表します。最高難易度は星5つ。ゴールはヴェロドローム(語弊はあるが、競輪場のようなトラックのイメージ)に設定されていて、独走で駆け込む場合もあれば、ヴェロドローム内での駆け引きを挟んだスプリントで勝負が決まることもあります。
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ
1892年~。その歴史は最も古く「最古参」と呼ばれるレースです。上記3レースは、主に重量級な選手が活躍するレースでしたが、このレースは軽量な選手が活躍します。
というのも、数限りない丘が登場し、アップダウンを繰り返すため、軽量でなければ対応できないレースだからです。
ジルベールなどのパンチャーや、過去にはアンディ・シュレクなどのクライマーが勝ったことのあるレースです。
ジロ・ディ・ロンバルディア(イル・ロンバルディア)
1905年~。モニュメントの他4レースは春に行われますが、このレースのみ秋に行われます。そのため「落ち葉のクラシック」の名称で親しまれてきました。いくつかの峠が登場し、高い登坂力を誇る選手がが活躍します。グランツールで総合優勝を狙うような選手がガチガチに争うクラシックとして、個人的にわくわく感満載のレースです。
現役モニュメント勝利主要選手
アレクサンダー・クリストフ
ミラノ~サンレモ(2014)
ロンド・ファン・フラーンデレン(2015)
アルノー・デマール
ミラノ~サンレモ(2016)
アレハンドロ・バルベルデ
リエージュ~バストーニュ~リエージュ(2006,08,15,17)
ヴィンチェンツォ・ニバリ
ミラノ~サンレモ(2018)
ジロ・ディ・ロンバルディア(2015,17)
エステバン・チャベス
ジロ・ディ・ロンバルディア(2016)
グレッグ・ヴァン・アーヴェルマート
パリ~ルーベ(2017)
サイモン・ゲランス
ミラノ~サンレモ(2009)
リエージュ~バストーニュ~リエージュ(2014)
ジュリアン・アラフィリップ
ミラノ~サンレモ(2019)
ジョン・デゲンコルブ
ミラノ~サンレモ(2015)
パリ~ルーベ(2015)
ダニエル・マーティン
リエージュ~バストーニュ~リエージュ(2013)
ジロ・ディ・ロンバルディア(2014)
ニキ・テルプストラ
ロンド・ファン・フラーンデレン(2018)
パリ~ルーベ(2014)
フィリップ・ジルベール
ロンド・ファン・フラーンデレン(2017)
リエージュ~バストーニュ~リエージュ(2011)
ジロ・ディ・ロンバルディア(2009,10)
ペーター・サガン
ロンド・ファン・フラーンデレン(2016)
パリ~ルーベ(2018)
マーク・カヴェンディッシュ
ミラノ~サンレモ(2009)
マシュー・ヘイマン
パリ~ルーベ(2016)
ミハウ・クヴィアトコウスキー
ミラノ~サンレモ(2017)
ワウト・ポエルス
リエージュ~バストーニュ~リエージュ(2016)
まとめ
『モニュメント』と『クラシック』は別物ではなく、『クラシック』の中の別格な5レースが『モニュメント』です。
なので、「好きなクラシックは?」と聞かれて、「パリ~ルーベ!」と答えても正解です。「好きなワンデーレースは?」と聞かれて、「パリ~ルーベ!」と答えても正解なわけです。
今日はこれで終了じゃ。
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