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【ロードバイク】自転車選手の脚質はこの6パターン

自転車選手の脚質

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  自転車ロードレースの選手は、得意分野の違いによって、何種類かのタイプに分けることができます。

そのタイプを脚質なんて言ったりします。

主な脚質を順に紹介していきます。

目次

 

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脚質① スプリンター

 ゴール手前で爆発的な加速をして勝利を狙うタイプの選手です。大きなパワーを必要とするため、筋肉が多く、がっちりしています。
 基本的に大柄で体が重いために、山岳は苦手です。山岳があると集団から遅れてしまうため、平坦基調のコースで勝利を目指します。
 平坦なレースの最終版までアシストに守られ、最後の200mで、もの凄いスパートをして勝利するイメージです。

この脚質簡単に言うと・・・
「俺のチームのSは、ラストスパートがメチャメチャ速いから、なるべく温存させて、最後の最後で良い位置でスパートさせてやれば勝ってくれる!」といった存在。

代表的なスプリンター
アルノー・デマール グルパマ・FDJ
アレクサンダー・クリストフ UAE チーム・エミレーツ
アンドレ・グライぺル アルケア・サムシック
エリア・ヴィヴィアーニ ドゥクーニンク・クイックステップ
ジョン・デケンコルブ トレック・セガフレード
ディラン・フルーネヴェーヘン チーム ユンボ・ヴィスマ
フェルナンド・ガビリア UAE チーム・エミレーツ
マイケル・マシューズ チーム サンウェブ
マーク・カヴェンディッシュ ディメンション・データ
マルセル・キッテル カチューシャ・アルペシン

 

    

脚質② タイムトライアルスペシャリスト
(TTスペシャリスト,クロノマン)

 タイムトライアル(一人ずつ走って、タイムを競う競技)を得意としている選手です。
独走力が極めて高い選手です。独走で高速を維持するには自分の前の空気という重りを押しのけていくパワーが必要です。
 また、TTバイク上での空力に特化したフォームを取りながら高出力を維持するという、技術面も必要となってきます。レースではTTステージの勝利を狙うほか、独走力を活かして時に逃げ切り勝利も狙えます。
 TTスペシャリストのトニー・マルティンが1人で逃げても3~4人のローテーションに匹敵すると、ある解説者がおっしゃっていました。

 

この脚質、簡単に言うと・・・
主に平地でかなりの高速を維持でき「こっちは複数人で協力して追っているのに、一人のあいつに差を広げられてる!」なんてことができる選手。

代表的なTTスペシャリスト
トニー・マルティン チーム ユンボ・ヴィスマ
トム・デュムラン チーム サンウェブ
ヴァシル・キリエンカ チーム イネオス
ローハン・デニス バーレーン・メリダ
シュテファン・キュング グルパマ・FDJ
ホナタン・カストロビエホ チーム イネオス
ヴィクトール・カンペナールツ ロット・ソウダル
近年引退した名TTスペシャリスト
ファビアン・カンチェラーラ
ブラッドリー・ウィギンス

    

脚質③ パンチャー

 スプリントが得意な選手ですが、スプリンターほど大柄ではないため、自ら動く機動力があります。レースの勝負所でパンチのあるアタックをする選手です。小さなアップダウンを繰り返す厳しいコースなど、勝負どころがあるレースで活躍します。レースのここぞという勝負所で強烈なアタックをして集団から抜けだす事ができます。
 

この脚質、簡単に言うと・・・
コースの勝負所で、急激なアタックを繰り出せる選手。集団は「はや!行かれてしまった~」状態。

代表的なパンチャー
フィリップ・ジルベール ドゥクーニンク・クイックステップ
ジュリアン・アラフィリップ ドゥクーニンク・クイックステップ
ペーター・サガン BORAハンスグローエ
エンリコ・ガスパロット チーム ディメンションデータ
新城幸也 バーレーン・メリダ

    

脚質④ ルーラー

 独走力が高い選手を指します。TTスペシャリストもこれに含まれますが、ルーラーの中でも特出したTTの成績を誇るのがTTスペシャリストです。
 高速を維持することを得意とする脚質ではありますが、勝負を決するような武器には欠けます。しかし、極端な苦手分野もありません。淡々と高出力を出し続けられるため、平坦で集団を引き続け、そこそこの山岳でも牽引し、アタック潰しもこなし、スプリンターのためのトレインもできる、、、というようにアシストとしての仕事は多岐にわたります。エースが総合トップのチームのルーラーなんかは、集団をコントロールするために、先頭を走り続けます。労働力が半端ないです・・・

 

この脚質、簡単に言うと・・・
他を圧倒する武器には欠けるので、勝ち方は独走力を活かした「逃げ切り」。それよりも集団の牽引など「仕事人」としてチームには貴重な存在。

代表的なルーラー
ニキ・テルプストラ ディレクトエレルジー
アダム・ハンセン ロット・ソウダル
ゼネク・シュティバール ドゥクーニンク・クイックステップ
スティーブ・カミングス チーム ディメンションデータ
ティム・ウェレンス ロット・ソウダル
別府史之 トレック・セガフレード
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脚質⑤ クライマー

 長い上り坂を得意とする選手です。坂を登るときは、自分の体重を重力に逆らって持ち上げていくため、出せる力に対して体が軽い選手が有利となります。脂肪も筋肉量も少ない傾向にあります。筋力に乏しく平地での高速巡行は不向きなので、TTの成績は良くありません。
 グランツールは山岳が多いため、クライマーは総合優勝争いに加わります。

 

この脚質、簡単に言うと・・・
脂肪も筋肉も少ない絞り込まれた軽い体を活かして、長い登りをスイスイ登ります。平地の高速巡航はまるでダメ。

代表的なクライマー
ナイロ・キンタナ モビスター
ティボー・ピノ FDJ
ファビオ・アル UAE チーム・エミレーツ
ワレン・バルギル フォルトゥネオ・サムシック
セルジオ・エナオ チーム イネオス
エガン・ベルナル チーム イネオス

    

脚質⑥ オールラウンダー

 ツール・ド・フランスなどのステージレースで総合優勝争いができる選手です。チームのエースとなります。
オールラウンダーというと『なんでもできる』と思われがちですが、山岳とTTの両方が得意な選手のことを指します。
 言い換えれば、『TTが速いクライマー』or『山岳にも対応したTTスペシャリスト』です。通常、クライマーとTTスペシャリストは体格からいうと正反対になります。しかし、高いレベルで、ヒルクライムとTTの両方をこなせる選手がオールラウンダーと呼ばれます。

 

この脚質、簡単に言うと・・・
ヒルクライムとTTを高いレベルで両立でき、チームのエースに。

代表的なオールラウンダー
クリストファー・フルーム チーム イネオス
ヴィンツェンツォ・ニバリ バーレーン・メリダ
アレハンドロ・バルベルデ モビスター
リッチー・ポート トレック・セガフレード
ゲラント・トーマス チーム イネオス
バウク・モレマ トレック・セガフレード
プリモシュ・ログリッチェ ロットNL・ユンボ
リゴベルト・ウラン EFエデュケーションファースト
近年引退した名オールラウンダー
アルベルト・コンタドール
カデル・エヴァンス

    

番外 クラシックハンター(クラシックスペシャリスト)

 脚質とは、少し違う意味合いになるのですが、クラシックハンター(または、クラシックスペシャリスト)と呼ばれる選手たちがいます。

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 その名の通り、クラシックレース(ワンデーレース)にべらぼうに強い選手のことです。基本的には、勝負を決するような武器を持った選手です。クラシックは『フランドルクラシック(北のクラシック)』と『アルデンヌクラシック』に分類され、それぞれ勝てる選手のタイプは異なります。
 
 引退してしまいましたが、カンチェラーラも圧倒的な高速巡行力と石畳の走波力という武器をもっていました。一度集団から抜け出すと、残り50kmあろうと一人で悠々と逃げ切ってしまいます。この独走劇でクラシックを勝ちまくってきました。

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 パンチャーのフィッリップ・ジルベールは、アルデンヌクラシックで勝ちまくっている選手です。ゴール前の坂で物凄いアタックを仕掛けて、集団から抜け出してゴールをするのが必勝パターンです。パターンが分かっていても、絶好調な時の彼のアタックは止めることができません。

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代表的なクラシックハンター
フィリップ・ジルべール クイックステップ・フロアーズ
ダニエル・マーティン UAEチーム・エミレーツ
アレハンドロ・バルベルデ モビスター
ニキ・テルプストラ ディレクトエレルジー
グレッグ・ヴァン・アーヴェルマート BMC
ジョン・デゲンコルブ トレック・セガフレード
ペーター・サガン BORAハンスグローエ
=アルデンヌクラシック系
=フランドル(北の)クラスシック系

 

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