ツール総合優勝"5回"の意味
ツール・ド・フランスで最も多く総合優勝をしている現役の選手はクリス・フルームです(4回)。
ツールでの総合優勝を4回も達成しているのは偉大なことですが、5勝すると新たな大きな大きな価値が加わります。
そして、頻繁に「フルームは5勝クラブ入りなるか!?」といった書かれ方をしていました。
かつて、ツールで無敵を誇ったフルームですが、自チーム内に強敵が現れるなど、5勝への道のりは険しそうです。
ツールにおける5勝はどうしてそんなに重要なのでしょうか。また「5勝クラブ」とは一体何のことなのでしょうか??
5勝したのは歴史上4人
世界最大の自転車レースであるツール・ド・フランスで、1回でも総合優勝できれば、名を語り継がれる英雄になれるでしょう。
しかし、それを5回達成した選手が歴史上4人います。
6回以上勝った選手はまだいません。(7勝したランスは成績剥奪。)
その偉大な選手たちを総称して「5勝クラブ」といいます。
5勝クラブのメンバーは、どの選手もサイクルロードレース界のレジェンドです。
フルームは、そんなレジェンドたちとツールの成績では肩を並べる「5クラブ」入りがかかっていたのです。
5勝クラブメンバー
1957年に初出場で初優勝。その後、1961・62・63・64年と4連覇して5勝を飾った。
山岳ではライバルから遅れないことに撤し、TTで大量のリードを奪う、王道スタイルの元祖。
ジロでも2回、ブエルタでも1回総合優勝しており、全グランツールで総合優勝した始めての選手でもある。
ツールの5勝だけでなく、ジロでも5勝。ブエルタで1勝、世界選手権では3勝。更にはパリ~ルーベでも勝ててしまうコンプリートオールラウンダー。
勝利への凄まじい貪欲さから「カニバル(人喰い)」とも呼ばれた。
史上最強のライダーとの呼び声が高く、「カンピオニッシモ(チャンピオン中のチャンピオン)」とも呼ばれる。
主要レースはほとんど勝っている、今では考えられない、あり得ない存在。。。いや、本当に・・・。
1985年にこのイノーが総合優勝してから、フランス人の優勝者が出ていない。。。
ジロでも3回、ブエルタでも2回、世界選手権、クラシック多数・・・
エディ・メルクスと同じく、あらゆるレースで勝てる真のオールラウンダー。
グレッグ・レモンとのエース争いは有名な話。
引退後はASOのアンバサダーとしてツール運営に携わってきたが、愛する孫との時間を大切にするためにその職を2016年に引退。
1991~95年の5連覇を達成。連覇での5勝はこの選手だけ。
TTに強く、山岳で耐え凌ぶ、やはり王道のスタイル。ジロ、ツールのダブルツールを2年連続で達成している。
TTの世界チャンピオン、オリンピックでの金メダリストにもなっている。
総合で盤石なため、ステージでの勝利は譲ったり、圧倒的な力がありながらも他選手へのリスペクトを欠かさない。
温厚な性格から「太陽王」とも呼ばれ、選手間での信頼が厚かったそう。
4勝は単独フルームのみ
ツール・ド・フランスでの個人の最高優勝回数は5回ですが、次点の4回はフルームただ一人です。
来期イスラエル・スタートアップネイションに移籍するそうですが、単独エースになれるチームに行くは頷けます。単独エースが約束されているのですから。
せっかく4勝までこぎ着けたのですから、5勝目の歴史的瞬間を見たいですね。
【関連】
グロい・・・ツールに出場中の自転車選手の血管
重量級ライダーの助け合い。グルペットってなに?